なぜ今「DX」なのか?

DX

経済産業省が2018年9月に「DXデジタルトランスフォーメーションレポート」発行して、企業にDX化という流れが生まれてきました。今現在は2021年8月に発行された「DXデジタルトランスフォーメーションレポート 2.1」が最新版です。

このように、なぜ国がDXを推進しようしているのでしょうか?

「DXデジタルトランスフォーメーションレポート」によると、日本の国際競争力は20世紀と比べて大幅に低下しており、情報システム(IT導入)の遅れによる生産性の低さが露呈されたからです。

「失われた20年、30年」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。そう日本が停滞している間に、他の先進国諸国、途上国もIT化を推進し、成長していきました、つまり、日本だけが置いてけぼりになってしまったのが現状です。

また、世界銀行に調べによる2019年の日本における一人当たり国民所得は世界30位。日本はアメリカや欧州、シンガポール、香港よりも低所得になってしまいました。

GDPでは日本は世界第3位ですが、国民は豊かさを感じられずにいます。

なぜこうなってしまったかというと、日本のITシステムが時代遅れになってしまっているのが大きな要因です。このため、生産性は向上しないまま2021年、もう2022年を迎えてしまいます。アメリカやヨーロッパは最新の情報システム、ITツールが出るたびにどんどん最新にしていったのに対して、日本の経営はそうせず20世紀から使い慣れたシステムを使い続けていました。

OECDが「労働生産性の国際比較」というレポートを毎年出しています。

このレポートで、労働生産性の上位の国は、ポーランド、アイルランド、ラトビア、リストニア、エストニアといったヨーロッパの中でも後進の国です。これらの国はITの導入が遅かった分、最初から最新のITを導入したので、急速に生産性が向上しました。

これは、まだIT導入がそれほど進んでいない、日本の中小企業と同じです。既存のシステムがない分だけ、ITの導入効果が目に見えて高いのです。

中小企業、特に「ITの導入」実績がない会社に必要なこと

IT導入

DXの前に、ITの導入が先

世の中では、DXに関するセミナーの実施やDXに関連する書籍がたくさん出ています。国も「DXを推進するぞ」ということデジタル庁を設立しました。世の中の流れは「DX」ですが、まず中小企業に必要なのは「ITの導入」です。伝達事項を口頭で行っている、受注は電話やFAX、打ち合わせはリアルでやっている会社、事業所ほど生産性は目に見えて向上します。

社長の意識を変える

「手作業をやめて、ITを導入しよう」と社長が決断したとします。しかしほぼ間違いなく、先代社長や古参の社員に反対されます。

例えば、

「今のやり方でうまくいっているのになんで変えなきゃいけないのか」

「何年もやってきたこの方法を変える意味が分からない」

「ITが導入されると俺たちの仕事がなくなるのでは」

「ITは苦手で・・・」

などなど。

厳しいことを言いますが、こうした声に勝てないのなら、あなたの会社は時代の流れに取り残されていくでしょう。

本当にそれでいいのでしょうか?

こうした声を説得し、まずは導入しやすく成果がわかりやすいとことからITを取り入れていくのは社長の重要な仕事です。

社長も「ITがよくわからない」などと言って、ITが詳しそうな若手社員に任せるのが一番よくありません。

社長自身が先頭に立って、「ITの導入」を推し進める必要があります。

社長には大変かも知れませんが、ITに関する基礎知識を身につけていただき、「どんな事ができるようになるのか」「その結果、手間がが省ける部分と手間がかけないといけない部分」が分かってきますので、これをもとに「自社ならこういうITを導入したら効率が上がる」「これは実現したいけどお金が掛かる」などというこう理解して「ITの導入」を進めていきます。

中小企業のIT導入はどこから始めるべきか?

ITゼロならITツールを導入する

ITが全く導入されていない会社・事業所であれば、どんなITツールを導入しても業務の効率は確実に向上します。

ただし、IT導入するにあたっては、

  • 導入の手間があまりかからない
  • 効果が目に見えて実感できる
  • 効果が実感できるまで時間が短い

ことが重要です。社内にいるIT導入に反対する人たちの声が広がる前に「これ便利じゃないですか」などという印象を社内に広がることが重要だからです。

経理や人事などのシステムやツールは効果が実感できる人が限られており、効率の効果を感じるまで時間がかかります。

ですから、ITを最初に導入するのは、

  • 社員みんなが使えるところから
  • これまで全く取り組んでこなかったところ
  • 社員が社外で自慢できるところ

から始めるとよいでしょう。

IT環境を整える

WEB会議をできるようにする

新型コロナウィルスの感染拡大でテレワークが導入され、そのとき話題になったのが「ウェブ会議」です。密を避けるため、集まってのを会議は避け、会議の参加者は自宅やシェア・オフィスなどから会議に参加できるようにするというものです。会議にはパソコンだけでなく、スマートフォンからでも参加できます。

資料を作っておけば、その資料を画面を共有して、会議を進めることができます。

IT導入の最初のステップとしてお勧めするのがこのウェブ会議の導入です。

ウェブ会議ができるサービスとして「Zoom」、「Microsoft Teams」、「Google Meet」などを含め多数あります。

3大Web会議ツール

Zoomの場合、無料版ですと、会議の時間に制限があったりします。でも中小企業の事務所なら人数は小人数で済みでしょうし、時間制限があるとこの時間内で会議を終わらせようと気にもなるので、会議の効率化につながります。

リアルの会議と違い、時間制限があると、何か課題が出て、これに対して全員が考え込んでいるうちに時間が過ぎていくことが減るという効果もあります。

Zoomを利用している企業も多いですが、セキュリティの問題が発生した経緯から「Microsoft Teams」を使う企業が多いように見受けられます。

ウェブ会議ができるサービスは多数あるので、自社にあったツールを選択するようにしましょう。

自社のメールアドレスを取得する

Google Workspace

初期の導入に適しているツールにGoogleが提供する「Google Workspace」があります。

  • ビジネス用メール・・・「Gmail」
  • 共有カレンダー・・・「Googleカレンダー」
  • Microsoftのワードに似たワープロソフト・・・「Googleドキュメント」
  • Microsoftのエクセルに似た表計算ソフト・・・「Googleスプレッド」
  • Microsoftのパワーポイントのようなプレゼンテーション作成ソフト「Googleスライド」
  • アンケート作成「Googleフォーム」
  • クラウド上にデータを保管するストレージ「Googleドライブ」

「Google Workspace」は、上記の各種機能が含まれた複合ツールです。

「Google Workspace」にログインするにはメールアドレスを使います。

このメールアドレスの@以下が「@xxx.co.jp」とか「@yyy.com」のように同じだと、共有のカレンダーなどを利用する場合、共有がスムーズにいきます。

これを契機に自社(自店)のメールアドレスを取りましょう。

メールアドレスの取り方は簡単であり、設定も簡単です。ここでは詳細は省きますが、「Google Workspace」に含まれるGmailでは、他のメールアドレスに来たメールも受け取れ、会社のメールアドレス(@zzz.co.jp)から返信もできます。

社内チャットを活用する

Slack

社内のコミュニケーションでよくあるのは「言った言わない」「こういうつもりで発言したわけではない」などです。

こういう行き違いを少しでも無くすには、口頭ではなく、なるべく文字でコミュニケーションすることです。ウェブ会議でもZoomなどでは録画機能があり、会議を残しておくことができます。しかし、いちいち会議を開くのもの面倒ですので、その場合、文字ならもっと簡単です。このために活用したのが社内チャットです。

ちょっとした連絡でも、社内チャットで短い文章で送ることによって、コミュニケーションのミスが減ります。また、1対1だけでなく1対多とか、グループ全体への連絡も簡単にできるのも特徴です。

社内チャットが電話や口頭と違いよいのは、他の作業に集中していて、その作業が一段落したところで社内チャットを確認すればよいという点にあります。

社内チャットにも「Slack」「Microsoft Teams」など多数存在します。その中でも利用者が多いのは「Slack」です。チャットでどうしても話が通じないときにはそのままワンクリックで無料の電話をすることができます。

「Slack」はまた、「Google Workspace」をはじめ、1500種類以上の他のツールと連携できるので、とても便利です。

ちなみに社外チャットには「Stock」がお勧めです。

データを保存し共有

Dropbox

前述したグーグルが提供する「Google Workspace」には「Googleドライブ」という、作成したデータを自分のPCだけでなくクラウド上に保存する機能があります。無料で15G、有料で298円/月支払うと100Gまで使えます。

大変便利なのですが、会社で他の人の作ったデータを共有するとなると、ここにない機能が必要です。「Googleドライブ」でもある程度は可能です。

しかし、例えば、

  • 「このフォルダは人事部と経営陣は見ることができるようにしたい」
  • 「同じファイルに同時にアクセスしてリアルタイムに更新したい」

といったことが可能なのが「Dropbox」です。

「Dropbox」には社内をチーム分けしてそれぞれ別の管理をするとか、捨ててしまったファイルを一定期間内なら復元できる機能があります。

デジタル化されたデータは、共有して価値を出し、生産性を向上させることができます。

テレワーク環境を整える

社内のコミュニケーションがデジタル化し、手書きなど作業が減り、データを共有できるようになると、やっとテレワークが出来る環境が整います。

コミュニケーションがデジタル化→手書きなど作業減らす→データの共有→テレワークを実施

という順番が非常に重要です。

ウェブ会議を導入すれば、すべて上手くいくと考えると思わぬ落とし穴に落ちます。

もちろん、テレワークのメリットは、どこにいても仕事ができること。自宅でも出先でも仕事ができることです。社長がいつもいなくても、会社・事業所が回る仕組を作ることが、テレワークの第一目標です。

また、通勤やお客様との訪問時間が減り、ミーティングとミーティングの間の移動時間もなくなるので、時間の面でも効率的になります。

ウェブ会議やデータの共有にしても、インターネットを使うので、インターネット環境は会社が整える必要がありますが、テレワークが実現すれば通勤にかかる交通費、移動の交通費、また、営業車をもっているなら、その台数を減らすことできますので、インターネットの費用を支払っても節減できる経費はかなり大きいものになります。

ただ、中小企業の経営者の中には、テレワークだと顔が見えないとか、きちんと働いているのか分からないなどの色んな考えがあると思います。最近では、働いている時間を可視化できるシステムやツールも出てきていますので、安心してテレワークを実施して欲しいです。

まとめ

テレワークを実際行っているみると、別に会社に出社しなくても、仕事ができることが分かりました。みんなこのやり方に慣れてきたのです。問題なく適応できていたはずです。

本来は東京オリンピック・パラリンピックに合わせて、テレワークを推し進めようという考えでしたが、皮肉なことにコロナが蔓延とともに、テレワークが普及しました。

しかし、最近残念なニュースが報じられました。せっかくテレワークを導入し、上手くいっていたのに、コロナの落ち着きと共にテレワークを廃止し、会社への出社を求めるというものでした。

働き方改革と言われますが、私は生き方改革だと思っています。

社員に会社への出社を求める。これに伴い、テレワークで仕事が出来る会社に転職しようとする人が増えているそうです。

せっかく会社として社員を育て、会社の戦力になって人材が流出するのです。なんて勿体ことをするのでしょうか?

テレワークで何か問題が発生していたのでしょうか。コロナ蔓延後、約2年間テレワークで問題なく会社が回っていたなら、会社への出社を求めるのは甚だ疑問です。

次回は業務のIT化についてお話できればと思います。

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